14日から15日にかけては、近畿から東海、関東、東北の太平洋側の広い地域で大雪に見舞われました。特に関東地方南部の山沿いと甲信地方では、過去100年になかったような大量の雪が降りました。 この雪をもたらしたのが、本州の南を発達しながら通過した南岸低気圧です。
当初の予想では、低気圧が関東地方に近づく14日の夜遅くには、平野で雨に変わり、15日の未明には内陸でも雨に変わる予想でした。しかし、実際に平野で雨に変わったのは15日の未明から明け方で、内陸部では雪のまま降り続きました。また、低気圧がもたらす暖かい空気と、関東平野からの冷たい空気がぶつかる場所では、雪雲や雨雲が発達し降り方が強まりました。暖かい空気が流れ込んだ千葉県や茨城県では、今回は早い段階で雨に変わり、前回ほどの大雪にはなりませんでした。一方、横浜では28cmの積雪となり、1週間前の積雪16cmを大きく上回りました。また東京の27cmは、前回と同じ積雪となりました。
気象レーダーを見ると、14日朝から関東には雪雲がかかり始めます。午前中は雪の降り方が弱く、平野ではほとんど積もりませんでした。午後になると雪の降り方が強まり、特に夜は活発な雪雲がかかり、関東南部と甲信地方では激しい降り方となりました。
レーダー画像で、14日23時頃からドーナツ状に赤や黄色の色が見えるのは、ブライトバンド(融解層)と呼ばれるもので、上空で雪が融けて雨に変わっていることを示しています。この円が見え始めたころから千葉県や茨城県では雨に変わり始めたと思いますが、最初この円が半円になっており、東京や横浜では雨に変わるタイミングが遅れたことが分かります。